今回訳出した記事にも公式訳が存在します。http://web.archive.org/web/20040302110822/http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/articles/files/20031126_01.html
原文も公式訳も随分と昔の記事ですので、新しく訳出してももう了承していただけるだろうと思っております。
原文も公式訳も随分と昔の記事ですので、新しく訳出してももう了承していただけるだろうと思っております。
≪ドモ、アリガト、ミスター・ロボット――「問題は簡易明白であって……」≫
原題:Domo Arigato, Mr. Roboto ―― "The problem’s plain to see..."
Mark Rosewater
2003年9月29日
http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/mr91
【原題はスティクスの歌「Mr. Roboto」の冒頭の歌詞である】
アーティファクト・クリーチャーの週へようこそ! ミラディンの封切りを記念して、今週我々は無色クリーチャーに関して話していこう――もっともミシュラランドは除くが。私はデザイン特集の執筆という光栄を授かっているので、今週の連載記事「メイキング・マジック」は次のような流れで展開していきたいと思う。すなわち、まずアーティファクト・クリーチャーやアーティファクト一般を設計することの困難さについて論じ、次にミラディンのアーティファクト・クリーチャー数体の図案を一瞥していく、という流れだ。
●ノームに勝る所はない【原文は「There’s No Place Like Gnome」で、慣用句「There’s no place like home(我が家に勝る所はない=住めば都)」の語感を真似ている】
私が思うに、企業秘密を打ち明けることから始めるのが良さそうだ。優秀なアーティファクトを設計するのは非常に、非常に困難だ。なぜか? 理由はいくつかある。
理由1:アーティファクトはカラーホイールと相性が良くない――アーティファクトの最も重要な面は、それらが携えていないものから生じてくる。すなわち私の言わんとしていることは、有色だ。カラーホイールがマジックにとっていかに決定的であるかについて、私は数多くのコラムを費やして説明してきた。アーティファクトはこれまでの説明に対して重大な懸案を投げかけてくる。カラーホイールは小さな仲間内の集まりであり、アーティファクトは招かれざる客にしか過ぎないのだ。
もっとも、研究デザイン部がアーティファクトをカラーホイールへ差し込もうと試みなかった、と言っているのではない。我々は≪石臼 / Millstone≫【ライブラリー破壊用のアーティファクト。現在では青黒にもしばしば現れる能力】や≪吠えたける鉱山 / Howling Mine≫【各プレイヤーに毎ターン追加ドローさせるアーティファクト。現在では有色の亜種も多い】等のいくつかの能力を、主としてアーティファクトに付託させようとさえしているくらいだ。だがこれは木に竹を接ぐようなものだ。アーティファクトの定義は、それらが全てをこなすことができるという点にある。無色であることがそれら自体を自由たらしめているのだ。昔の、本当に昔のサタデー・ナイト・ライブ【Saturday Night Live:アメリカNBCの長寿コメディバラエティ番組】から引用すると、「祝福であると同時に呪いでもある」ということだ。
祝福は、アーティファクトが持つ制限は非常に小さいということだ。呪いは、アーティファクトが持つ制限は非常に小さいということだ。これまでの数多くのコラムで説明してきたが、制約こそが創造性を育むのだ。広大に開けた領域は、むしろ人の気を折れさせるのだ。
加えて、アーティファクトは確かにカラーホイールを利用しないが、それらはやはりホイールの先端部分に踏み込まないよう距離を取って置かれなければならない。このことから研究デザイン部は、アーティファクトに関する包括的な規則を制定した。すなわち、アーティファクトは何をする際にも、その役割を最も苦手とする色よりも上手にすることはできない、という規則だ。例えばクリーチャー破壊のアーティファクトは、どんな緑デッキにも入るくらいにまで強力であってはいけないのだ。
公平を期して、特にセットの半分がアーティファクトのような場合には、研究デザイン部はこの規則に対して少し融通を利かせている。だが共通の精神はいずれの企画にも広大に行き渡っている。この問題が顕著なのはアーティファクト・クリーチャーにおいてだ。例えば、青のクリーチャーは明らかに緑や白よりも数段見劣りする。そしてアーティファクト・クリーチャーは青のそれに勝らないようになっている。
その上で、デザイナーは何をすべきか? 鍵は欄外の創造性に眠っている。有色の能力を横領させないようにする最善策は、特定の色に明らかに還元することができない、奇抜な能力を見つけ出すことだ。これは容易ではない。先に「非常に、非常に困難だ」と書いたのは、まさにこのことだ。
理由2:アーティファクトはフレーバーの犠牲者だ――私が思うに、プレイヤーがアーティファクトを好むということの重要な要因は、それらが概念からして非常に論理的だからという点にある。それらは物であり、魔法の道具であり、理屈の通るものだ。このことが発案に対して興味深い束縛をもたらす。アーティファクトが適正なものだと「感じる」ようにさせるために、そのフレーバーとメカニクスは明確に結びついている必要がある。エンチャントはどうか? 何なりと可能だ。それらは魔法だ。どんな風にでも取り繕える。プレイヤーは何の期待も持たない。だがアーティファクトはどうか? アーティファクトは現実味を帯びているため、厳密に理屈が通るべきだと言えるのだ。
もっとも、どのアーティファクトも完璧に理屈が通っている、とまで言っているのではない。実際のところ吠えたける鉱山とは何だろうか【という疑問を考えればよい】。だが最良のアーティファクトは首尾一貫した論理を含んだものだ、と言いたい。私の確信するところでは、これはほとんどのプレイヤーが考察する点ではないが、アーティファクトを聡明な作りで動作させる重要な点の一つだ。そして繰り返しになるが、これを的確に行なうのは「非常に、非常に困難」だ。
理由3:アーティファクトには「気違いじみた」という評判がある――理由1から設計者は、自分の手法から外れることでより革新的になる、そして、プレイヤーがアーティファクトに見出すような種類の効果を呈しうる、というわけだ。このことと以下の事実、すなわち、アーティファクトはレアに偏りがちだという事実、ついでながらコモンのものはほとんどのセットに存在せず、アンコモンのものは汎用性を重視しているのだが、この事実と君たちが、アーティファクトが他の普通のカードよりも「異様」だというような自己成就的な予言を作り出したと言えよう。
ミラディンでこの予言と対峙した我々は、意図的にアーティファクトの入る稀少度の閾値を引き下げた。すなわち、我々は普段ならアンコモンになるだろうものをコモンに指定し、普段ならレアになるだろうものをアンコモンに、そして残りの格別に複雑なものをレアにした。これが理由となって、例えば、ミラディンのアンコモンのアーティファクトが、普段のセットならばレアだったろうにと君たちの視点から見なされうるのだ。より風変わりな趣旨へと向けられたこのような期待感は、アーティファクトの企画をなおいっそう複雑にさせる重圧となっている。
理由4:ミラディンの半分はアーティファクトでできている――デザインチームが強く感じていた必要性は次のようなものだった。我々が望むような環境を作り出すためにも、ミラディンには多数のアーティファクトカードが収録されなければならない、と。平均的なセットには40枚のアーティファクトが収録される――ここ数年の貧弱なアーティファクトの水準は別の話だ。ミラディンには160枚以上のアーティファクトが収録されるのだ! これは四セット分のアーティファクトに相当する量だ。すなわち設計すべきアーティファクトが大量にあることを意味する。【訳注:350枚強のセットに限ってアーティファクトの数を見ると、ICE45枚、MIR39枚、TMP39枚、USG33枚、6ED48枚、MMQ30枚、INV22枚、7ED39枚、ODY15枚、ONS6枚となっている。ミラディンは142枚だが、親和や≪空僻地≫≪エイトグ≫等も足していくと160枚に達しそうではある】
事実、私ではないが研究デザイン部の中の数名は、興味深いアーティファクトをそれほどの量も作り出せるだろうか、と懐疑的だった。ご覧のとおり、我々は彼らの誤りを証明したわけだ。少なくとも私はそうできたと願いたい。
理由5:アーティファクト・クリーチャーは他のいかなる制限を持たない――全てのカードタイプの中では、研究デザイン部はクリーチャーを他の何よりも多く作っている。したがってクリーチャーは他のカードタイプよりも遥かに多く印刷されている。これはアーティファクト・クリーチャーの発案をいっそうさらに難しくしている。開拓すべき未踏の領域があまり残されていないからだ。
幸運にも、研究デザイン部には新鮮な挑戦を大好物とする面子が揃っている。そしてミラディンに、我々は手一杯に取り組んだ。
●クリーチャー特集
さて私の説教も充分だろうから、図案の話に進むとしよう。以下に紹介するミラディンのアーティファクト・クリーチャー数体は、どのように生まれてきたのだろうか?
≪銀のゴーレム、ボッシュ / Bosh, Iron Golem≫【8マナの伝説のアーティファクト・クリーチャー。トランプル持ちでゴーレムでもある。赤マナを支払ってアーティファクトをダメージ源に変換できる】――通常、クリエイティブチームはどんな伝説のクリーチャーが物語に登場するかをデザインチームに知らせる。その通達された情報を用いて、デザインチームはフレーバーに合致したカードを考案していく。これに関してボッシュは非常に率直だ。彼はアーティファクトを壊すのが好きな、畏怖の念を起こさせるゴーレムだ。企画者と開発者はいくつもの異なる草案を試してみた。最終的に開発チームが採用した能力は、デザインチームがレアの赤い「猿」――≪ゴリラのシャーマン / Gorilla Shaman≫【アーティファクト破壊能力を持つ赤のクリーチャー。ヴィンテージで軽量マナアーティファクトを次々割っていくため、別名はモックス・モンキー】――にかつて宛がったものだった。ご存知の通り、マジックの世界における猿は、どういった理由か定かでないが、確かにアーティファクトを酷く嫌っている。ともあれ、この掴んで投げ飛ばすというフレーバーが非常に赤らしいと感じられたので、このカードには赤い起動型能力が与えられることになった。
≪機械仕掛けのドラゴン / Clockwork Dragon≫【7マナのアーティファクト・クリーチャー。+1/+1カウンターが6個置かれて出てくる。戦闘の都度カウンターが取り除かれるが、マナを支払えば増強できる】――アルファ版が初めて世に出たとき、カードに熱中したりカードを分析したりするような集まりは、まだ作られていなかった。インターネットも初期の段階にあった。したがってマジック黎明期にいくつかあった「熱くて人気ある【"hot"】」カードは、試合での価値よりも見た目の価値の方を遥かに伴っているものだった。そういったカードのひとつが≪機械仕掛けの獣 / Clockwork Beast≫だった【機械仕掛けクリーチャーの元祖。+1/+0カウンターを用い、カウンター配置のタイミングがアップキープに制限され、カウンター配置の上限は7個までとなっている】。もし≪機械仕掛けの獣≫、あるいはこれまた怪しげな≪蜂の巣 / The Hive≫【5マナとタップで1/1飛行トークンを生み出す5マナのアーティファクト】が欲しいなら、ブースターパックを開封する必要があった。誰一人としてこれを交換に出すほど狂気沙汰ではなかったからだ。
私が記憶からこの情報を引っ張り出したのは、ミラディンには数体の機械仕掛けクリーチャーが収録される予定だと知らされたときだった。メカニクスは+1/+1カウンターを使用するように変更されるとも伝えられた。当然これが意味したのは、我々はレア枠に機械仕掛けクリーチャーを設けなければならない、ということだった。そして君たちがレアのクリーチャーと言われて思い浮かぶのは、おそらくドラゴンだろう。こうして≪機械仕掛けのドラゴン≫は生まれたのだ。また、セットを象徴するドラゴンがアーティファクト・ドラゴンになるということで、私は満足していた。
マナマイアのサイクル【2マナ1/1。各色に用意されたアーティファクトのマナクリーチャーたち】――すなわち緑の≪銅のマイア / Copper Myr≫、赤の≪鉄のマイア / Iron Myr≫、黒の≪鉛のマイア / Leaden Myr≫、青の≪銀のマイア / Silver Myr≫、白の≪金のマイア / Gold Myr≫は、ミラディンの企画のまさに初期段階で作られたものだ。その時から何一つとしてカードに変更は加えられていない。いや、なるほど確かに、これらはノームからマイアへと変わったが、その他のマナコストから能力やパワータフネスに至るあらゆる点は、実際のところ最初から変わっていない。
≪映し身人形 / Duplicant≫【戦場に出たときクリーチャー1体を追放し、それのパワー、タフネス、クリーチャータイプをコピーする。攻防一体のアーティファクト・クリーチャー】――このカードは開発の段階で作られた。インターネット上の多くのプレイヤーが惜しんだところによると、これがパワー、タフネス、クリーチャータイプだけでなく、完璧にクリーチャーをコピーできれば良かったのに、ということだった。なるほど、このカードは実際そのようになるはずだった。完璧なコピーこそが、このカードが作られたとき開発チームの念頭にあったものだった。しかし、そのようなメカニクスを【ミラディン発売当時の】ルールで支えることはできなかった。理由を知りたければ、≪Vesuvan Doppelganger≫【アップキープごとにコピー先を選びなおせる青のクリーチャー。ルールもさることながら、日本語オラクルが非常に難解】に関するルールを参照していただきたい。結果、開発がかなり後期に差し掛かってから、このカードに変更が施されたのだ。
≪金属カエル / Frogmite≫と≪マイアの処罰者 / Myr Enforcer≫【双方とも親和(アーティファクト)持ちのアーティファクト・クリーチャー】――私がこれらを考案したのは、一群の親和カード作成の第一段階だった。これらはファイルに入れられ、その後変更されることはなかった。私は親和(アーティファクト)を持つアーティファクトをいくつか収録させたいと思っていた、というのも潜在的に何のコストもかからないようなカードを作るには、これしか方法がなかったからだ。閑話休題、これらはかなり優秀だ。私が思うに君たちはこの2枚をトーナメントで見かけることになるだろうから、明確に調べ上げておくべきだ。
≪ゴブリンの戦闘車 / Goblin War Wagon≫【マナを支払わないとアンタップしない、中堅のアーティファクト・クリーチャー】――このカードの視線の先には、アラビアンナイトの≪真鍮人間 / Brass Man≫【マナを支払わないとアンタップしない、黎明期の小型アーティファクト・クリーチャー】がある。ゴブリンという単語は赤のような響きを持つので、この単語をアーティファクトに使うことの是非に関しては、いくらかの議論があった。
≪地ならし屋 / Leveler≫【5マナ10/10のアーティファクト・クリーチャーだが、戦場に出たとき自分のライブラリーをすべて追放しなければならない】――このカードは、私が5マナで10/10のアーティファクト・クリーチャーを欲しいと思ったこと、そこから始まった。なぜそう思ったのか、私にも分からない。あるいは小洒落ているように思えたのかもしれない。だがこれを実現するには何らかの代償が、それも取るに足らないものではなく、非常に現実的なものが必要だった。それでいて私は、その代償を単純なものにしたかった。自分のライブラリーをゲームから取り除く【追放する】ことには、どういった理由だろうか、非常に早く行き着いた。またマナマイアのサイクルと同様に、このカードは初期の発案で作られ、そのままの状態で実際の印刷に至った。
≪磁石マイア / Lodestone Myr≫【アーティファクト1つをタップするごとに+1/+1修正を得る、トランプル持ちのアーティファクト・クリーチャー】――このカードは草案ではマグネトロン【Magnetron:磁電管】として通っていたが、着想となったのはテンペストの≪リモコン飛行機械 / Telethopter≫だ【クリーチャー1体をタップすることで初めて飛行を得る、フレーバー溢れるアーティファクト・クリーチャー】。興味深いことに≪リモコン飛行機械≫は私の父ジーンの発想によるものだった。さて、他のアーティファクトをこのカードの糧にするという考えは、私のお気に入りだ。発案の段階では我々は【≪磁石マイア≫の起動コストに充てられる】アーティファクトを非装備品のものに限定していた。その理由は次のようなものだった。プレイヤーは装備品をオーラと同等に扱い、クリーチャーと一緒にタップしてしまう傾向があった、そのため、装備品のタップ状態やアンタップ状態を切り替えるのは混乱を招くと考えられた、というものだ。開発の過程で、この制限は洗練を欠くもので不必要に弱体化させるものだと判断され、どんなアーティファクトでも能力の起動に充てられるように戻された。
≪マイアの精神使い / Myr Mindservant≫【自分のライブラリーを切り直す起動型能力を持つ】――掲示板で数名の書き込みが尋ねていたことだが、なぜこのマイアは対戦相手のライブラリーを切り直させてはくれないのか。もしそれができれば≪心因検査器 / Psychogenic Probe≫【同ミラディンのアーティファクト。ライブラリーを切り直したプレイヤーに2点のダメージを与える】とコンボになったのに、と彼らは言うのだ。この書き込みに対しての回答は、次のようになる。このカードは当初はそうなっていたが、私が開発チームを説得して翻意させたのだ、と。ご存知、私は初めて開発チームに参加したアライアンスで、≪Soldier of Fortune≫【雇い兵。赤のクリーチャーで、こちらは対象のプレイヤーのライブラリーを切り直す起動型能力を持つ】というカードを創案した――少なくとも私の覚えでは、私がこれを作ったはずだ、もし私の記憶違いならアライアンスのチームの誰かが報せてくれるだろう。そして、私はこのカードは失敗だったと常々思っていた。対戦相手に継続的に切り直しを強いることは、迷惑で、さもしい行為だ。何らかの効果に達するまでの過程で、切り直しを一度要求するようなカード、そのようなものならば私は気にかけないが、反復可能な効果としての切り直し強制は粗野の極みだと言えよう。何らかの戦略的な優位性を得るため、自分のライブラリーを切り直したい、というのは結構だ。だが継続して対戦相手のライブラリーを切り直したい、というのはいただけない。私が関与する限り、そのような効果は制限するつもりだ。
≪ペンタバス / Pentavus≫【1マナごとの起動型能力で、自身の5つの+1/+1カウンターと1/1トークンを自在に変換できるアーティファクト・クリーチャー】――そもそもデザインチームは≪テトラバス / Tetravus≫【後述】をミラディンに再録するつもりだった。何と言っても、≪トリスケリオン / Triskleion≫【自身の3つの+1/+1カウンターを1点ダメージに変換できる、0/0のアーティファクト・クリーチャー】と≪テトラバス≫【アップキープ開始時の誘発型能力で、自身の3つの+1/+1カウンターと1/1トークンを変換できる、1/1のアーティファクト・クリーチャー】は私の中ではずっと一対だった【≪トリスケリオン≫≪テトラバス≫ともにアンティキティ初出で、揃って第4版に再録されている。ミラディンには≪トリスケリオン≫だけが再録されている】。ところが≪テトラバス≫には、それが生み出すテトラバイト・トークンにはエンチャントできない等、いささか無粋な要素があまりにも多かったので、我々はこれを作り直すことにしたのだ【他の問題点は、2つの機能の誘発型能力が1つにまとめられていること、名前は4を意味するテトラなのにカウンターとトークンは3つで紛らわしいということ】。作品を改良するために、我々は5つの+1/+1カウンターを用いることにした。カード名も論理的に対応するものになった。
≪白金の天使 / Platinum Angel≫【勝利条件に手を加えるアーティファクト・クリーチャー。自分は敗北できず、対戦相手は勝利できなくなる】――私は称賛が相応しいところに対しては、やはり称賛を贈りたいと思う。このカードはデザインチームが作ったのではない。これを作ったのは、開発チームのブランドン・ボッジ、ランディ・ビューラー、エレイン・チェイス、ブライアン・シュナイダー、ヘンリー・スターン、そしてブライアン・ティンズマンだ。私はこれは素晴らしい仕上がりだと思うし、この見事な仕事ぶりに敬意を表したい。
●それらを作れば……【原文「If You Buid Them...」は、「If you buid them, they will come.」の前半部。元々は映画「フィールド・オブ・ドリームス」内の台詞「If you buid it, he will come.」らしい。「それを作れば、彼が訪れるだろう」】
本日のコラムで、アーティファクト・クリーチャーの設計に対する理解が深まっていただけたなら幸いだ。ここまで見てきたように、これらを立案するのは、人が最初に思い浮かべるよりも少しばかり難しいことだ。
来週もまた参加していただきたい。ミラディンの企画の背後にある内情に関して、骨の折れる旅路を続けていくつもりだ。
その時まで、君のマイア軍団が対戦相手を蹂躙することを願いつつ。
――マーク・ローズウォーター
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